「すぐやる!」菅原洋平著

【ブログネタ】「すぐやる!」

「すぐやる!」(菅原洋平著)という本の視点が、新しくて面白かったです。

文章は少々わかりにくいと感じたのですが、「作業療法士」としての視点で実践につながりやすい方法や考え方が書いてあります。

「すぐやる」ためのポイントは、脳に入る情報を変えること、つまり何を「見せる」「聞かせる」「触らせる」を基本としては話が進んでいきます。

下記にそれぞれの章について簡単に説明しますね。
#下記は、本の章の番号には連動していますが、実際の章のタイトルとは違います。

1章:脳に何を見せるか?が大事

「やってはいけないことをやる」ことによる罪悪感が、その後の行動に価値を見出すようになるそうです。そのため、「やってはいけない行動」を繰り返してしまうというメカニズムになっているそうです。

そして、その対策としては、そもそも「脳に見せない」こと
そのために例えばTVのリモコンなどは常に「元の場所に戻す」ようにすると良いのだとか。

よく聞く話ですが、この本の説明を読むと実践するきになります。

2章:脳に次の行動を予測させる

スムーズに取り掛かるコツは「脳が次の行動を予測できるところまでちょっとだけ着手しておくこと」。例えば本だったら、区切りのいい章の終わりで読むのをやめるのではなく、次の章も少し読み始めておくという感じでしょうか。

これもよく聞く話な気もしますが、やってみようという気にさせてくれます。

また、フォードフォワードという概念を紹介し、「スモールステップ」(エラーレス学習)などにも言及しています。

3章:すぐやる集団にいると「すぐやる」ようになる

要はモデリングやミラーニューロンの話だと思うのですが、まぁ、これも経験がある人はすぐ分かる話でしょう。

とはいえ、それでもわかっていても人間同じ環境にいつづけるものなんですけどね。いい悪いじゃなくてそういう強い傾向があるという意味で。

ちなみに、体の動きなどを教える際に、対面するより横並びになる方が「メンタルローテーション」をする必要がなくなり脳のリソースを消費しないのでやりやすいとのこと。なるほど。

4章:「経験的な言葉」を使うと脳がやる気になる

アファメーションの話ではなく、「主観的」「客観的」な言葉ではなく、「経験的な言葉」を使うというのが新鮮でした。

経験的な言葉とは「感じたこと」「体の様子」などとのこと。
ここが「なるほど」と思いつつちょっとわかりにくいところでした。

また、メタファーの重要性や「外言語」などについても言及されています。

5章:ゴールを「明確」にすることの大切さと「やればできる」という言葉の危険性

「やればできる」というように思っていると、「でも実際やっていない」という現実を突きつけられます。

そうすると1章で説明されているような罪悪感が生まれ、「やってはいけない」(つまり「やらない」)ことを繰り返し「自分はダメなやつ」というループにハマるということのようです。

対策は、「ここまではできる!」と到達点を具体的にする事。
そして、実行したらその「できたこと」にフォーカスして、認めます。

これは最初に上げたように「自分の脳にどんな言葉を聞かせたいか?」という視点で考えれば、前者は「ネガティブな言葉」なのに対して、後者は「ポジティブな言葉」になっているというわけです。

私も机の片付けについて「やればできる」と常々思っているのですが、実際やると途中でくじけたりします。もしくは「3分だけやろう」と決めて完了しても、「3分じゃ短いからもう少し」というようにやり、結局「全然片付かない!!」となってしまっていました。そして、罪悪感が生まれるというのを繰り返していたわけです。

それが、まず「3分だけやる」とか「書類一枚だけ片付ける」としたら確かに罪悪感が生まれにくくなりました。
コツは、「3分しかやってないからもう少しやろう」とか考えずに、まずは「3分やった自分を認める」ことですかね。そして、それでも余裕があれば改めて時間を設定してやると良いのだと思います。

7つの習慣の「第二の習慣:終わりを思い描くことから始める」とかソフトバンクバリューの「逆算って楽しい」とかってちょっとストイックな感じに聞こえますが、こういう視点で考えるのも良いかもしれませんね。

また、「わざ言葉」という概念も紹介されています。
「わざ言葉」とは、「速読は読まないように読む」とか「自転車は、足の裏で空き缶を踏んづけるようにペダルを踏む」とかいうできる人の感覚、特に体感覚を表した言葉のようです。

これも、自分なりに作ってみましたが結構面白いです。
「手書きでも字を書くときの感覚とか」
(まだ、作ったばかりで、今後効果や継続性があるかはまだわからないので、コツとして発表するのも恥ずかしいので今は控えておきます)

6章:「メンタル文法」を変える

「すぐやるスイッチ」をすぐ入れる簡単な方法として、「メンタル文法」という概念とその活用方法について解説されています。

見聞きしたことに対して「メンタル文法」を通して解釈しているとのこと。
これは認知心理学などで、人は自分のフィルタを通しながら世界を認知していると言われますが、それを「文法」と言っているのだと思います。

例えば、ある特定のキーワードに文脈や全体像を見ることなく強く反応してしまうなんていうのもこの「メンタル文法」のためでしょうか。
本の中では、例としてうつ病の人は、ネガティブな言葉に強く反応するとありましたが、これは多分言葉だけではなく出来事や物事の解釈自体がネガティブだったりポジティブだったりするのでしょう。

対応策としては、「状態+すぐやる」みたいので自分にしっくりくるものを作っておく事だそうです。
例えば、「褒められる」+「すぐやる」→「褒められるからすぐやる」とか、「スッキリするからすぐやる」とか、自分の中のメンタル文法が反応しやすい文章を作っておくということですね。

また、語彙を増やす事で、このメンタル文法自体も変化し、「できないこと」への固執が減るとのこと。語彙力の大切さを、別な視点から解説されているのが興味深いです。

7章:「【能動的に触る】感覚を得る」と動けるようになる

「触られる」という受動的な感覚ではなく、「自ら触っている」能動的な感覚を得ることで、たくさんの感覚情報が得られ、それが得られると行動力が上がるそうです。

このあたりを読んで思ったのが「夢をかなえるゾウ」などいろいろな自己啓発の本で言われている「トイレ掃除をする」とか「靴を磨く」、人によっては「アイロンがけをする」なんてことの重要性とコツについてです。

これらの動作を、漠然とではなく、「能動的に」触覚を使いながら行うことで、「今、ここ」に集中しより多くの情報を受け取る事ができ、効果が上がるのかもしれません。

もっというと、瞑想のときの「呼吸の感覚を意識的に観察する」こともまさにこの能動的に触覚を得ることにすることになっているのかもしれませんね。空気が気管を通る感覚、鼻や口を抜けていく感覚、そして吸うときのそれらの感覚などなど。

また、爪を切り丁寧に整えることは、触覚の面からも良い効果を持つそうです。

8章:「大事なこと」以外はルーティン化

「何となくネガティブ」な気分になるのは「脳の慢性疲労」が原因とのこと。そしてそれは脳のリソースを使いすぎているから。

対策としては、普段使っている道具などをチェックして、脳がルーティンでできることを増やすこと。

もちろん、すべてをルーティン化するのではなく、日常の何気ない事をルーティン化することで脳のリソースをより大事なことに集中できるというわけです。

例えば、カバンの中。逆にお気に入りの道具は動きの起点になっていたりするので、変えたくなっても変えない方が良いのだそうです。

 

参考文献ぐらいはしっかり載せてほしかったですが、「すぐやる」ことに興味がある方にはおすすめです。

photo

すぐやる! 「行動力」を高める“科学的な”方法
菅原洋平
文響社 2016-07-27

by G-Tools , 2017/03/04


コメント

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です